昭和28年初版の牧野富太郎「原色少年植物圖鑑」

義父の本棚から、かなり以前にもらってきた本のうちの1冊です。

昭和28年1月10日初版発行、昭和49年に28版として発行された、牧野富太郎の「原色少年植物圖鑑」(北隆館)
現在は廃版になっているようですが、今では私の宝物になりました。
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序には、「九十一才になって、孫やひ孫をみると、これら少年少女に、ごく手ぢかなわかりやすい植物図鑑をあたえて、少年の時から植物に親しみをもたせたいものだと思います。学生には学生版植物図鑑がある。植物をくわしく調べたい人には、牧野日本植物図鑑がある。少年少女には、着色をして図をみただけでも、わかるようにしたのがこの原色少年植物図鑑である。これで三段階の植物図鑑がそろったわけである。 昭和二十七年十一月三日 文化の日 牧野富太郎」と書かれています。
じーんときます。

普段見かける植物320種が選ばれていて、花の咲く時期、場所、由来、植物と人間の関係などが書かれ、属名や種名の意味の解説にとても親しみを感じます。
繊細な植物画というより、子ども向けにシンプルにした温かみのあるタッチとなっていて、たまりません。
目を引く着色がされていて、子どもたちがドキドキしながら見た様子が目に浮かびます。
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先日義父には「ちょうど朝ドラをやっているけど、貴重な本を大事にしている」と話して、喜んでもらいました。

義父の本棚には、これと一緒に「原色少年動物圖鑑(内田清之助 岡田要共著 北隆館)」(昭和28年6月20日初版発行、昭和40年6月15日23版発行」もあったので私がもらっていますが、これも楽しい本です。

今とは図鑑の価値観がずいぶん変わりましたが、これらから受ける感覚は、自然と人間のつながりがすっと身体に入ってくる貴重なものだと感じています。

この記事へのコメント

kazuyoo60
2023年09月24日 06:19
カラーではないマキの植物図鑑を持っていました。捨てた記憶はないのですが、今はネット検索ばかりです。
ミントのみん
2023年09月24日 13:46
kazuyoo60さん、
どこかにあるといいですね。
今はネットを見ればなんでもわかる時代。
どちらかというと、調べるというより手に取ることが嬉しくて、由来などがなるほどと思える図鑑です。